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映画「立ち去った女」

 今年は大山と奥津渓で、すさまじい紅葉を見たので、おだやかに秋を見送っていけそうです。そんなたいそうな。。。でも、毎年、今年はどこの紅葉を見るのか!は大きなテーマで、春は桜、夏は山、秋は紅葉、冬は、、、風邪ひかないこと。なんとなく、こういう自分なりのイベントを繰り返して、どんどん時は進み、歳とっていくのですね。これは実感です。

 「立ち去った女」は、なんと上映時間3時間48分!これだけで試写に行くのはやめようかな~と思うのですが、去年のベネチア国際映画祭金獅子賞を取ったとあらば、行かねばならぬミョウシンドノです。まして監督は「怪物的映画作家」と呼ばれ、ベネチアをはじめベルリン、カンヌ他、世界の映画祭を次々と制覇。。。なんて書かれていたら、行かねばならずです。そして何よりフィリッピンの映画であるということが決め手であります。
 
 ストーリーとしては、えん罪で30年間刑務所に入っていた女性が出所、陥れた元恋人の男性に復讐するという、まあ、よくありそうな話です。ただ、ワンシーン、ワンカットの長回しにより、あぶりだされる世界が、ただものではないのです。監督ラブ・ディアスの世界観に引き込まれて行きます。トルストイの短編から着想を得たといわれる作品には、善と悪を超えた、宗教、哲学、出会いによる人生の輪廻まで、大きく心が揺さぶられます。その背景にあるフィリッピンの現代社会の問題や、風俗などなど、長回しだからこそ伝わってきます。ドキュメンタリーではないのですが、そこはまさしく現場なのです。主人公の女性は1955年生まれの女優でありプロデュ―サーでもある存在感にあふれた美しい人です。彼女の気持ちにそって、いつの間にか映画のなかに入り込んでいます。すっと立っている佇まいがきれいな女性です。
 
 ただ長い映画もありますが、この作品にはこの時間が必要だったと思わさせてくれる確かなものがあります。基本的に、長い映画も物語も大好きなのですが、最近は、ちょっとしり込みしていましたが、4時間ぐらいなんじゃいなーと思いました。トイレ休憩もありです。
 こういう上映時間なのか、小さい劇場でしか上映されないのが残念ですが、どっぷり映画に浸りりたい方、時間のある方、暇な方、、、おすすめです。
★12月9日(土)~十三第七芸術劇場★時間は劇場へお確かめください。06‐6302‐2073
 

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コメント

このところ、そんなに長時間の映画は見に行けそうにありませんが、とても心に染み入ったようですね。
長まわしで丁寧に撮られた映画は、そうすることが必然だったのでしょう。
それを見る側が感じられたのだから素晴らしい映画だったのだと思います。
映像で他人の人生や時代、風景を味わえるのが映画の良さですね。
見た後もいろんな余韻がぐるぐる巡り、何度でも楽しめますしね。

私が見た映画で長かったのは、平田オリザを撮ったものでした。あの映像で人柄が分かったような気がしました。


投稿: とんび | 2017年11月29日 (水) 17時01分

とんび姐さん
 平田オリザはよかったですね。なんかもう知り合いのおじさん、いやお兄さんみたいに思えました。無駄のない長い映画は、時間の共有を含め貴重なものです。それは本にも言えますね。長編が好きなわたしは、この冬何を読もうか、、、ワクワクしております。まだせわしいなか、一冊読み始めております。ウフフ(せ)

投稿: | 2017年12月 1日 (金) 11時47分

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