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2017年10月

ニーナ・シモーヌ

 時間はたっぷりと自分のものになったけれど、なんかしら、やることが多くてバタバタしていました。でも、それもなんとかこなし、しばしゆっくり秋を楽しんでいます。

 最近、ニーナ・シモーヌを聞いています。日本では「ニーナ・シモン」と言いますが、ロンドンとかではシモーヌ。なぜかと調べてみたら、フランス女優の「シモーヌ・シニョレ」にちなんで、シモーヌにしたとか。いいなー、シモーヌ・シニョレも大好きです。
 
 彼女の声は、一度聞いたら忘れられない。彼女の弾くピアノと相まって、グーンじわじわと心に迫ってきます。若い頃にチラッと聞いていたけれど、しっかり教えてくれたのは、恩師と言える数少ない一人F先生です。彼女は、たばこをくゆらしながら「いいわよ、ニーナ・シモン」と。すぐ聞いてみて、はまってしまいました。もともと、女性ボーカルでは低い声が好きで、日本なら浅川マキ。ことに若い頃は高い声は苦手でした。でも、しばらくご無沙汰でしたが、この夏、次男がロンドンより帰っていたおり、なんか音楽の話になって、ニーナ・シモンをいっぱい持ってるというので、CDやらPCに入れてもらいました。最近はだいたい音楽は息子たちの世話になっています。
 
 彼女の歌は、黒人女性としての生きざまというか、強い政治的メッセージが含まれています。悲しいかな、歌詞がはっきりとわからないのですが、強さと悲しさと怒り、そして熱い人間性を感じます。声に秘められた凛々しさに、なぜか胸が締め付けられることがあります。
 「彼女は、目的のために歌っている」とどこかで読んだのですが、そうだなーと納得します。アメリカで生まれ、ほんとうにいろいろあって、アメリカを出て、晩年はフランスで過ごし2003年70歳で亡くなりました。凄まじい時代を、黒人として女性として生きてきた彼女。歌っている姿もカッコいいのです。本当に強く美しい人だったし悲しい人だったなと思います。
 
 秋にとても似合う彼女の歌、いや音楽世界。この国の魑魅魍魎の政治の世界と同じ空間にいながら聞くと、よけい胸に沁み涙がでるのです。そして彼女を生んだアメリカ社会の、変わらぬおぞましさ、時代は変わらないのかと、、、でもニーナ・シモーヌという音楽を生んだのですから、すごい国です。
 彼女のドキュメンタリー「ニーナ・シモン・魂の歌」2015を見たいです。
 YOUTUBEで聞いてください。「Aint Got No」字幕ついてるのあります。素晴らしい♪
 
 今夜は中秋の名月。月も秋の風も虫たちも、変わらぬ季節を届けてくれているのに、人間社会は情けないことばかりです。でも、心のなかは侵されず、研ぎ澄まし、美しいものを見、聞き、楽しんでまいりましょう!(せ)

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